第51回つむぐびと定例会のご案内

今回の定例会は「不登校」を取り上げます。

子どもの数が減少するなかで不登校の児童生徒数は増加し続け、2018年には16万人を超えました(前年より約2万人の増加)。学校の長期休み明けに子どもの自殺数がピークとなる「9月1日問題」に注目が集まり、さらに、不登校には該当しないがそれに準ずる”苦登校”状態の子どもが約44万人いるという調査結果も世間の関心を呼んでいます。

文科省が「不登校は問題行動ではない」としてから久しく、今年10月25日付の文科省通知では「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要がある」「不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある」との記述も盛り込まれています。

フリースクール・フリースペースをはじめとした学校外の子どもの居場所も着実に広がりをみせていますが、そこでは、不登校“支援”にとどまらず、子どもの学ぶ権利・参加する権利を核に置いた「子ども主体の学び」が営まれようとしています。また、子ども食堂や学習支援の広がり、外国籍や日本にルーツを持たない子どもの支援、オルタナティブ教育の広がりなどとも重複・交差をしています。

そもそも、不登校とは、誰にとって、どんな問題なのでしょうか。どのような視点で“支援”すべきなのでしょうか。暮らし方・生き方が多様化し、社会的自立の意味、特に「はたらく」ことのイメージや実態が変容している現代。当然、子どもの「学び」「暮らし」も変化しているはずです。

フリースクール(および親の会)のスタッフと、社会科学の(元)研究者の2つの視点で、不登校という”問題”をめぐる状況を見渡し、当日は、いくつかの論点をご提示します。子どもの権利条約採択から30年、日本批准から20年の今年。子どもの学ぶ・育つ・守られる・参加する権利を土台に置いて、「不登校」とはそもそもなんなのか、子どもの学びや育ちを支えるおとなはどうあるべきか、共に考えられたらと思います。

■第51回定例会
日時:12月13日(金)午後7時~8時半
「不登校の本質を考える 」
話題提供者:勝野有美さん
埼玉医科大学・国立療養所多磨全生園附属看護学校 非常勤講師(社会学)
フリースクールスタッフ(https://www.shure.or.jp/

場所:東京在宅サービス3階会議室
※今回は新宿御苑の開催になります

<参考資料>
第22回定例会(2016年7月15日)『不登校の苦しさ、構造とアプローチ方法』
話題提供者:NPO法人全国不登校新聞社 編集長 石井志昂さん
http://re-innovation.jp/tsumugubito/wp-content/uploads/2016/02/TSUMUGUBITO%E8%B3%87%E6%96%99_20160715.pdf

第29回定例会(2017年4月7日)『不登校の子どもの居場所と「は・た・ら・く」を考える』
話題提供者:全国フリースクールネットワーク 事務局長 松島裕之さん
http://re-innovation.jp/tsumugubito/wp-content/uploads/2017/03/20170407_FSNmatsushima.pdf

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