学び残している社会人基礎力(標準的な知識やスキル)等は集団的なアプローチで充足していくことができますが、実際の仕事において抱えている課題は業種や職種、経験によって異なり、個別に対応しています。
個別相談(メンタリング)では、仕事や生活上の問題や課題に対して解決方法を教えるのではなく、意思決定をサポートしながら、解決するための意欲や自発的な成長につながるアドバイスを心がけています。

メンタリングを行う際には、相手の認知特性にあったコミュニケーション方法で行っており、直接対面したり、スカイプ等でインターネットを通じて音声や映像を活用する場合もあれば、対面が苦手な言語優位の特性を持つ方にはLINEやメッセンジャー等のSNSツールを活用し、チャット形式での対話を行っています。

チャットコミュニケーション

自閉傾向がある方に限らず、発達障害のある人はチャットによるテキストコミュニケーションでのメンタリングが有効に感じます。

対面だと考えたことを話すだけで、何を話しているのか、何を相談したかったのかを忘れがちになりますが、文字にすることは頭の中や感情の整理につながり、書くことで精神的な落ち着きが見られます。テキストコミュニケーションでは「共感」できる言葉を文字にすることが重要と感じています。

仕事だけでなく何気ない日常の対話で出てくる言葉にも「わかる」と共感を表す言葉を添えます。どうすればいいかという相談については、結論を伝えずに考えるための題材を提供して自身で意思決定できるようサポートします。相手の発言についても、。否定しない、決めつけない、命令しない、受け入れる、肯定することを大切にしています。
相談のはじまりにみられるネガティブな言葉も、テキストで整理しながら言葉にしていくと、心の落ち着きが見られます。最後は前向きな雰囲気で笑顔を感じられるようなクロージングを行います。
被相談者の変化としては、語彙力、相手に話を理解してもらうための表現の工夫、言葉の整理の仕方、言葉が出るまでの時間、言葉の具体性、肯定的な表現など、自分の想いを言語化するための力が向上していくのを実感します。