2017年は、社会参加するための要素を入口にそれぞれの分野・領域のとりくみから課題解決につなげていくプラットホームづくりにチャレンジしていきます。

 

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第27回定例会(2017年2月3日)

テーマ:『は・た・ら・くための課題~キャリア形成を考える~』
話題提供者:石井京子さん/一般社団日本雇用環境整備機構・理事長

公開資料:第27回公開資料(石井さん)    第27回公開資料(榎本)

キャリア形成は発達障害のある人に関わらず、非正規雇用者にとっても共通の課題です。
マクロ的な要因(産業構造の変化、ICTの進歩、低成長・・等)で企業の人を育てる(人材育成・社会教育)余裕がなくなっています。
キャリア形成は「知識・経験・能力・ネットワーク」の風船を膨らませていくことだと考えています。
一般には仕事などの社会経験を通じて、キャリア形成されていきますが、もともとのポテンシャルが高くても、自身の病気や障害、家族側の要因で、社会参加の機会を失って、この4つの風船が小さいままだったり、いびつだったりすることで、就労につけなかったり、自分を活かした仕事ができなかったり、風船を膨らませるような仕事が与えられなかったりと。

「キャリア形成を考える」をテーマに、1月から開始する発達障害のある人のキャリア創出のプロジェクトの取り組みを事例として、キャリア形成のための課題の可視化と解決するために当事者、企業、社会に必要なアクションなどを考える時間になりました。

第28回定例会(2017年3月10日)

テーマ:『は・た・ら・くための課題~居場所の役割を考える「RDnetカフェの試行錯誤から見えてくるもの~』
話題提供者:希少難病ネットつながる(RDneT/アールディネット) 理事長 香取久之さん

公開資料:第28回公開資料(香取さん)  第28回公開資料(榎本)

第29回定例会(2017年4月7日)

テーマ:『不登校の子どもの居場所と「は・た・ら・く」を考える』
話題提供者:全国フリースクールネットワーク 事務局長 松島裕之さん

公開資料:第29回公開資料(松島さん)

第30回定例会(2017年5月12日)

テーマ:『異なる立場の同士の<対話>から自己理解と他者理解を考える』

話題提供者話題提供者:die-a-log LABO 代表 朱亀佳那子さん
「30代から考える伴侶との死別とグリーフ&ライフサポート die-a-log LABO」

公開資料:第30回公開資料(朱亀さん)

今回の参加者は、難病や発達障害、学習障害、家族介護、若い世代の伴侶死別などの当事者、当事者会運営者や就労支援、教員、ケア活動に関わる方、大学院生など属性も年齢もさまざまな方が約20人。死別という枠を超えた当事者非当事者の対話という点で、これまでのdラボのワークショップが進化したかたちとなりました。
伴侶死別の話題提供をもとに行ったグループワークでは、背景が違う当事者との間に共通項を探したり違和感を言語化したり。

「見た目では分からないこと」
「当事者の範囲とは? いつまで当事者か、どこまで当事者か?」
「当事者は周囲の評価に揺らされ、それが二次的な傷つきに?」
「死生観は年齢に影響されるのでは」
といった話題で、予想以上の盛り上がりがありました。
「状況は違っても、喪失体験は共感できることがあった」
「冷たいようだけれど、死別も疾患も、その気持ちは話を聞いても理解もイメージもできなかった。でも、皆さんが苦しみを抱えているということ、苦しみを抱えながら乗り越えたということだけは分かった」
die-a-log LABOのワークショップスタイルについては、「他の社会課題でも積極的にやっていくと、みんながもう少し生きやすい社会につながるのかな」「ダイナミックなワークショップ、有効性が見受けられた」など、のコメントが。
die-a-log LABOは若い世代の伴侶死別者を「当事者」とした場ですが、伴侶死別者もまた異なる場面では「非当事者」になります。今回は、「それぞれが何らかの当事者であり、非当事者でもある」というリアルを感じる場にもなりました。
お互いを少しでも理解することが、「他者のいたみに優しい社会」につながっていくのではないかと思います。

公開料:20170512つむぐdラボ公開資料

第31回定例会(2017年6月17日)

テーマ:『 介護者の社会参加のために~介護者の困りや不安・心配を整理する、可視化するツールを題材に~』
話題提供者:(一社)介護離職防止対策促進機構 代表理事 和氣美枝さん

公開資料:つむぐ公開資料20170617

介護の大変さを直接に経験しているのは、介護している人(介護者)と介護されている人(要介護者)です。しかし実は、介護の問題は、介護者・要介護者だけのものではありません。

現に介護をしている人の負担を減らす工夫はもちろん必要ですし、介護者自身が支援を必要としている存在だという認識はまだまだ広がってはいません。加えて、家族が介護するのがあたり前だと考えず、介護者(特に家族)が介護役割を抱え込まないで済むようにすることも重要です。特に介護をすることで介護者の社会参加が阻害されないようにすることは、地域にとっても社会にとっても重要なことのはずです。

介護事業所や関係役所をはじめ、介護者の職場や地域など、介護者・要介護者をとりまくさまざまな立場の人をどのようにつなぎ、巻き込んでいったらいいのか。関係する職場・地域・介護事業所へ、何をどのように伝えればいいのか。被介護者によってもたらされる自身の困りを、可視化(言語化)したうえで整理し、具体的なアセスメントツール的なものを題材に、介護問題を解決するために必要な環境調整の入り口を一緒にさぐっていきます。

第32回定例会(2017年7月14日)

テーマ:『多様性を認めあう社会(職場)の実現に向けて~自己理解と他者理解によってコミュニケーションを円滑にしていくプログラムを体験して~』

話題提供者:ケアラーアクションエットワーク 代表 持田恭子さん

公開資料:つむぐびと第32回定例会公開資料

「自分を知ること」と「他者の異なる考え方や価値観を認め合うこと」によってコミュニケーションを円滑にしていくプログラムの一部を実際に体験しながら、多様性を認めあう社会(職場)の実現に向けての可能性や活用方法についてワークショップを行いました。

障害や病気、介護など、なんらかの困りごとを抱えながら社会参加していくには、社会システムや公的制度の改革はもちろん、社会生活・日常生活のなかで関係しあう人々の理解を得ることが不可欠です。そして、たとえば職場で上司や同僚からの理解を深めていくためには、まず自己の特性を知り、それを周囲に説明することを通じて“相互理解”していくステップが必要となります。

一般的に“相互理解”は、チームや組織で物事に取り組むなかで深まっていきますが、困りを抱えている当事者のなかには人間関係の調整そのものを苦手とする人も少なくありません。そのため、異なる考え方や価値観を認め合いながら職場での円滑なコミュニケーションを構築することが難しい場面に遭遇することもあるでしょう。

そこでは、受け身・待ちの姿勢ではなく、“相手を変えるにはまず自分から変わること”を実践していくこと、そのためにまず自分の特性や置かれた状況、困りごとの正体、周りの人々の態度・姿勢などを自分がどのような視点でとらえているのか、自分自身が知ることから始めることが必要になるのではないでしょうか。

第33回定例会(2017年9月8日)

テーマ:『職場や社会での良好なコミュニケーションに向けて~自己の認知特性を可視化するツールを題材に』

話題提供者:つむぐびとプロジェクト 代表 榎本哲さん

公開資料:第33回定例会公開資料

認知特性とは脳の働きに関する傾向のことで、情報処理(インプット~アウトプット)や「記憶する」「考える」「判断する」「人とコミュニケーションとる」の仕方など、私たちが日常生活を過ごすために欠かせないものです。
たとえば、情報獲得は視覚優位なのか聴覚優位なのか、図形認識と文字認識のいずれが得意なのか、ワーキングメモリ(短期記憶)のサイズはどれくらいなのかなど、健常者(と称される、生活上の困りごとがない人たち)を含めたすべての人に、得手不得手や偏りがあります。

「自身の認知特性を知ること」は、失敗の原因を適切に理解して苦手を(自分に合ったやり方で)克服するうえでも、強みを生かすことで生活の質を向上させるうえでも重要なことでしょう。
自分に合った働き方・暮らし方を模索したり、よりストレスの小さい人や情報との接し方を工夫する際の手掛かりになるでしょう。また、組織や社会がどのような認知特性を持つの人々を基準に作られているのかを分析することで、より多様な人々の能力を生かすような環境調整・改善の方途も見つかるかもしれません。

今回は、認知特性を分析するいくつかのツールを題材にしながら、セルフアセスメントとしての可能性や活用方法について、そして意外にわかっていない自身の特性を知ることで、良好なコミュニケーションづくりの対処、また地域や職場で配慮や相互理解の促進について考える時間になりました。

第34回定例会(2017年10月13日)

テーマ:『認知症を支える人に起こりがちな困り事』を対象として、ウェブを活用した一つの解決の仕組みを考える

話題提供者:きょうだいケアラー当事者  吉山大助さん

公開資料:第34回定例会公開資料

認知症は疾患であるため、ご本人の状態に対するアセスメントや治療にむけた行動は医師と家族で連携して行われる一方、ご本人と支える人の生活に発生する「困り」についてはまだケアが不十分な場合が多く、この「困り」が蓄積し、やがてご本人と支える人の間に心の隔たりを作り支える環境を壊すことで、生活の困りを致命的なものにしている場合が少なくありません。

そして、この「困り」生活の中で大小様々なものが複雑に絡み、支える人自身が正しく自らの困りを認識できていない(or言語化できていない)ために、解消に向けた手立てがないという点に、一つ大きな課題の仮説があります。

これらの課題解決の手段として、認知症を支える人のための「困り」のアセスメントを行い、本人が「困り」を認識・言語化する。そして、介護保険に限らない解決手段をマッチングする協働型のプラットフォームを作ることで、仕組みとしてこの課題を解決できるのではないかと考えています。

第35回定例会(2017年11月10日)

テーマ: 看取り後の介護者のは・た・ら・く(社会参加)を考える~心のケアと学びのある居場所づくり~

話題提供者:介護者さろんてぃぽっと 代表 鈴木陽子

公開資料:第35回公開資料

長年の介護から物理的には解放されても、看取り後の喪失を抱えた状態での社会参加は簡単なものではありません。また、看取りに至る経緯や介護者の年齢、就労から離れていた時間の長さによっても、その階段は一様ではないはずです。介護者自身が単身の場合を含めて、生活上・経済的な問題から就労へのアクションが急がれる状況も少なくないですが、なかなか一歩踏み出せない現実も多々あります。

介護者サロンの参加者が抱える看取り後の不安、復職・就労にあたって実際に経験された課題などをご紹介いただき、今後はじめようとしている、心のケア、ならびに社会参加につながるスモールステップとしての居場所づくりについて伺います。一人ひとりに合った形で就労・再就労が実現するために、どのような機能や人材が必要とされているのか、また介護中や看取り後に望まれるケアや支援はどのようなものなのかを考え真日田。